レタープレスを始める①
こんにちは。まぶこです。
少々心が疲れたことで会社に行けなくなったものの、これまでやってみたかったレタープレスをやってみるということで、少し元気になったところまでお話をさせていただきました。
ではレタープレスとは、どうやってはじめたらよいのでしょうか?
実はずっと以前、レタープレスに興味を持った時に一度調べたことがありました。
東京神田にある真映社さんという製版屋さんが、自宅でレタープレスをする方法をYoutubeでアップされていて、それを見たことを思い出しました。
実際、仕事としてレタープレスをされている方は、専用の機器を使用し制作されています。
やはりそれらは高価で、私のような素人がポンと購入できるようなものでもないし、取り扱えるものではありません。
しかし真映社さんでは、1万数千円でアマゾンで購入できるプレス機を使ってレタープレスをする方法を推奨されていて、私はその方法で行うことにしました。
レタープレス機をアマゾンで買い、
専用インキは楽天で買い、
紙は紙屋さんで買いました。
そして樹脂版はというと・・・
Adobe Illustratorのようなソフトでデザインをし、真映社さんのような製版屋さんにお願いする必要があります。
Illustrator自体は、会社にいる頃にさわった経験があるので、どういうものかは知ってはいたものの、デザインの経験は皆無です。
しかしやったことないから、という理由でやめられないほどに、私のレタープレス熱は高まっていました。
PCはこれまで家にあった、子供たちがネットサーフィンに使うためだけにあった、ノートパソコンに Illustratorを入れました。(これもかなり苦戦しました。会社にいれば、こういう作業は他の人がやってくれていたので・・・。)
Illustratorを開いて、こういうものを描いてみたいというものを手始めに描いてみることにしました。
対象形のお花の模様って、どうやって作るの?
和柄に多い菊模様って、どうやって作るの?
描き方をググったにもかかわらず、描くための機能が、 Illustratorの中のどこに入っているのかが全然わからず、小さなお花を描くだけで最初は2時間くらいかかりました(泣く)
それでもなんとかはがきサイズのデザインが描けるようになり、気が付いたら1か月で100種類近いはがきサイズのデザインを描いていました。
「ハマれば時間を忘れて取り組む」という私の特性で、朝5時から深夜まで、食事も家事もそこそこに、描いて描いて描きまくりました。
途中「PCの容量がいっぱいです」と画面の表示が何度も出るようになったので、詳しい知り合いに見てもらったところ
「このPC、イラレを入れて使うようにできてないから、こういうのが出ちゃうんだよ。対策としては、PCの中になるべく保存しないほうがいいんじゃない」
と言われ、暫定的な措置として、描いたデザインの保存はUSBにすることにしました。
なんとも情けない・・・。
製版をする
レタープレスというのは、版に1色ずつ色を乗せて印刷します。
したがって、色が増えるほど手間がかかることになります。
また細かいものを作ってしまうと、次の色を刷るときの位置を合わせるのが難しくなります。
こういったことを加味しながら(といっても、経験があるわけでもなく、参考書があるわけでもないので、あくまでも想像しながら)たくさん書いたデザインの中から、1枚を選びました。
私が選んだデザインはこれです。(ちなみにプリンターもないので、PDFに変換し、コンビニでプリントしていました)
使用する色は2色。
これを色ごとのデザインにし、墨1色にしたら製版の準備完了です。
真映社さんに入稿し、製版をお願いします。
届くまでに、何度も真映社さんがyoutubeでアップされている、自宅でレタープレスの動画を何度も見ながら、印刷のイメージトレーニングをしました。
それから他に必要な細かい道具も、買いそろえました。
2日ほどしたら、版が自宅のポストに届きました。
いよいよ印刷です。
インキを取り出し、ローラーで伸ばして、版にのせます。
そしてプレス機にかけて・・・・
あ、あれ?なんかイメージしたのと違って、汚い・・・。
何度か刷ってみても、同じ。
真映社さんに
「こんなにムラで汚くなっちゃうんだけど、原因はなんだと思いますか?」
とメールしてみると、すぐにお返事を下さって
「インキの練りが足りないんじゃないかな?ローラーで何度も伸ばしてから、印刷してみて。あと紙を挟んで圧を上げて印刷してみて」
と的確なアドバイスをいただきました。
これでもか、これでもかと伸ばしてみて、再度印刷してみると・・・
ほんとだ、さっきよりもきれいだ。
その後何枚か刷ってみて、その翌日2色目の赤を印刷。
1枚目が出来上がったとたん、わたしは感動。
「なんて美しいの!」
コンビニのプリンターで印刷した時にはなかった、優しい雰囲気が、レタープレスで印刷したポストカードにはあふれ出ていて、思わずうっとりとみとれてしまいました。
その後たくさん刷った印刷物たち。
幸せそのものです。